個展「本の時間」展示作品

個展「本の時間」にて展示いたしました作品を
ご紹介します。

働く女/群ようこ
1999年/集英社

お客に対し誠実であるが、それゆえに売り上げの伸びない百貨店外商部のチハル。

夫に先立たれ、とりあえず見つけたコンビニで子供を
連れてパートとして働くミサコ。

体調を崩し、仕事を辞め、祖父の本屋で店番をすることとなったクルミ。

手抜きのできない性格で一生懸命に働くが損をして
しまうエステティシャン、タマエ…。

他にもワガママ大女優からラブホテルの女店主まで、
様々な職業の働く10人の女の日々を、心の内側をさらりと書いた短編集です。

群ようこは小説も数多く出版されていますが、
「無印良女」などのエッセイもたくさん出版されています。
また、かもめ食堂など映画化された書籍もあります。

絵の中にいる動物は、

▶︎外商員の女、チハル(ねずみ)

▶︎コンビニパート店員の女、ミサコ(いぬ)

▶︎エステティシャン、タマエ(ねこ)

▶︎祖父の本屋で働く女、クルミ(うさぎ)

働く女に出てくる主人公です。

何人か気付いてくださいましたが、本屋のひさしは、
ホリデイ書店がモデルです。

20代半ばにはよく「働く」をテーマにした本を読んでいました。
百貨店で働くことは、自分の天職と思っていたけれど、次第に何かやりたいことがあるはず…という気持ちが湧いてきました。

そう思った瞬間から、いろんな人に会いに行き調べ、
行動をし、イラストレーターへの道を目指したのでした。

働く女には、1日のなかにいろんな出来事があり、
泣いたり笑ったり、みんな一生懸命に働いて生きているのです。

個展「本の時間」展示作品

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青豆とうふ/和田誠・安西水丸
2011年/新潮社

和田誠、安西水丸。
ふたりのイラストレーターが、交互に絵と文を描いた
エッセイ集です。

時代を飛び越え、世界を回り、映画に音楽、
旅行にファッションと、まったく予想のつかない展開
は、まるでふたりが楽しそうに語っているラジオを
聴いているよう。

本の中には、イラストレーションがたくさんあります。

安西水丸といえば、テーブルの上の静物。
今回は、テーブルにビール、おつまみの落花生、
そして青豆とうふを描き、テーブルに黒いアウトラインを入れました。

和田誠といえば、キャラクターのような可愛らしい
動物。そして魅力的な色彩。
絵に紫がかったブルーを多く使われているので、
ビールのポスターに使いました。

2人の画集と睨めっこしながら描きあげた1枚です。

青豆とうふといえば、居酒屋かなと思ったこと。
サラリーマンのコアラが居酒屋にいると絵として楽しいなと思い描きました。
コアラとサラリーマンを調べた資料もたくさん見たかな。

私はこの「青豆とうふ」という本を上京するたびに
持って行き、新幹線のなかで読んでいました。

もうお二人はいなくて、新しいイラストレーションを
見ることは叶いません。
ただ、イラストレーションはこの先もずっと残り、
多くのひとたちにずっとずっと愛されるのです。

個展「本の時間」展示作品

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すっぴん/林 和子
2019年/センジュ出版

レオン自動機株式会社は、宇都宮市にある
食品製造機メーカーです。

https://www.rheon.com/jp/

会社の創設者であり、和菓子職人であった、
林 虎彦の半生を、妻、林 和子の目線で語った小説です。

2019年5月、センジュ出版から連絡が入り、
私にとっては初めての本の装画のお仕事となりました。

本の表紙のおまんじゅうは、林夫婦を表現しています。
裏表紙は後ろ姿の夫婦。
どちらも寄り添っている姿です。

林 虎彦の自分にかせた使命をやり抜く姿には、
懸命に生き抜く意味を教えてくれます。
読み終わった時には、爽やかな風が吹いたような…
そんな気持ちになる小説です。

本の装画という夢がひとつ叶い、
少しだけ私の転機となった一冊です。

今回描いたリスの絵は、このおまんじゅうを
リスになった林夫婦が持って行こうとしている姿で、
表紙の絵の続きを描いてみました。

「すっぴん」は、林 虎彦オフィシャルサイトでご購入
いただけます。
https://torahiko.jp/

12/13(日)には、宇都宮市内で朗読劇があるそうです。
その後、NHK-FM(栃木県域)で放送予定
とのことです。
https://pid.nhk.or.jp/event/sp/PPG0340693/index.html?fbclid=IwAR1O_NXdyU-BgHahbJFvJIP6r0GiX7zsLWCkByeIrSq0KX3NKILnl2J2Oxc

個展「本の時間」展示作品

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空中ブランコ/奥田英朗
2004年/文藝春秋
第131回直木賞受賞作
他シリーズ/「インザ・プール」「町長戦争」
ドラマ化、舞台化、アニメ化

伊良部総合病院地下の神経科には、
今日も悩める様々な患者が訪れます。

色白で太っちょの医者、伊良部 一郎。
『いらっしゃ〜い』という神経科に似合わない甲高い声で今日も患者を迎えます。
また、患者にビタミン注射を打つ様子を嬉々としてみる変わった医者です。

伊良部のわがままで常識外れな言動や行動に、
どの患者も振り回されながらも、最後は無事解決する。
お話も読み終えた時には清々しい気持ちになります。

空中ブランコは、空中ブランコ、ハリネズミ、
養父のヅラ、ホットコーナー、女流作家の
5つの短編が一冊となっています。

絵は、空中ブランコのお話から描きました。
ある日、空中ブランコに乗っても失敗するようになった
サーカス団員、山下公平。

公平のサーカスにやってきたカバのような体型の伊良部が、ヒョウ柄のレオタードを着て空中ブランコをする
シーンを描きました。

空中ブランコを読んだことのある人がご覧になった時、

「なんかわかる!」

とおっしゃっていただき、嬉しくて心の中でガッツポーズした私なのでした…。

個展「本の時間」展示作品

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夜のピクニック/恩田陸
2004年/新潮社
第2回本屋大賞
第26回吉川英治文学新人賞受賞作
2006年映画化

毎年、北高校では「歩行祭」という
全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという伝統行事が
ありました。

物語は高校3年生の西脇融(とおる)と甲田貴子を中心にクラスメイトとの会話や思い、友情が描かれています。

融と貴子は実は異母兄弟なのですが、
特に融は貴子を嫌悪しており、その思いを知る貴子は
ある決意をして歩行祭に参加していたのでした…。

18歳。子供のようで、すでに大人の年齢です。
友と一緒に苦しいなか一晩かけてゴールを目指す。
青春時代にしか過ごせない純粋な気持ちがたくさん
書かれています。

私自身もこの頃に出会った友人とは、
その優しさに何度も助けられて、生涯大切にしたいと
思う人たちがいます。

列を作って歩く動物といえば、ペンギン。
前を向いたり、上を向いたり、後ろを振り返ったり。
どんな事を思いながら歩いているのでしょうか…。

先頭と最後のペンギンの前後には足跡が。
絵には3羽しか描いていませんが、ちゃんと列を作った
ピクニックなんです。