個展「本の時間」にて展示いたしました作品を
ご紹介します。
夜のピクニック/恩田陸
2004年/新潮社
第2回本屋大賞
第26回吉川英治文学新人賞受賞作
2006年映画化
毎年、北高校では「歩行祭」という
全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという伝統行事が
ありました。
物語は高校3年生の西脇融(とおる)と甲田貴子を中心にクラスメイトとの会話や思い、友情が描かれています。
融と貴子は実は異母兄弟なのですが、
特に融は貴子を嫌悪しており、その思いを知る貴子は
ある決意をして歩行祭に参加していたのでした…。
18歳。子供のようで、すでに大人の年齢です。
友と一緒に苦しいなか一晩かけてゴールを目指す。
青春時代にしか過ごせない純粋な気持ちがたくさん
書かれています。
私自身もこの頃に出会った友人とは、
その優しさに何度も助けられて、生涯大切にしたいと
思う人たちがいます。
列を作って歩く動物といえば、ペンギン。
前を向いたり、上を向いたり、後ろを振り返ったり。
どんな事を思いながら歩いているのでしょうか…。
先頭と最後のペンギンの前後には足跡が。
絵には3羽しか描いていませんが、ちゃんと列を作った
ピクニックなんです。